110年ぶり発見、幻のイソギンチャク

幻のイソギンチャク「ドフラインイソギンチャク」。1904年に採集されて以降、国内で確認されていなかったが、約110年ぶりに東京湾で発見されたという。千葉県立中央博物館の柳研介主任上席研究員らのグループが12日発行の日本動物分類学会国際学術誌に発表した。来年1月11日まで県立中央博物館分館・海の博物館で標本を展示する。
深海に生息するドフラインイソギンチャクは、採集された1904年三浦半島城ケ島沖でドイツ人研究者のフランツ・ドフラインが4年後に新種とし発表した。柳研究員は、定期的にウニやナマコなどの海洋生物調査をしているグループの1人から、2012年10月24日に同県鋸南町の無人島である浮島沖の水深100~200メートルで採集したイソギンチャクが似ていると連絡を受けて調査した。ドイツの博物館に所蔵されている標本と、隔膜の配列などを比較し、毒が入っている刺胞のデータなどで同種と確認したという。
01年には、アメリカ人研究者がニューカレドニアやパラオ深海で再発見。しかし、国内では標本が第二次世界大戦の戦禍を免れるためにミュンヘンの博物館から疎開させられ、長い間所在不明になっていたことや、似ている別種のイソギンチャクと混同されていたことで未発見になっていた。
この発見について柳研究員は「過去のイソギンチャクの資料が整理される。今後の新種の発見にもつなげていきたい」と話しているという。
かつて日本で見つかった新種がまだ日本に生息していたという嬉しい発見となった。110年ものあいだ、種を絶やさず暮らしてきたイソギンチャクの生態はどうなっているのか気になるところである。