三味線の音を自動譜面化

八戸工業大大学院の小坂谷壽一教授が研究していた三味線の演奏を自動で譜面に起こす「自動採譜装置」が完成し、16日に同大で学生らに披露されたそうだ。多くが口伝により継承されてきた三味線の楽曲は、演奏者の高齢化や後継者不足で失われつつあるという。小坂谷教授はすでに東北地方の民謡約50曲を譜面化しており、全国に活動を広げる考えだという。国内の伝統文化の保存に期待がかかる。
小坂谷教授は10年程前に三味線を習い始めた際、師匠に「聞いて覚えるか、できなければ自動で譜面化する装置を作りなさい」と言われたのをきっかけに、2009年から開発に取り組んだそうだ。
装置はパソコンにつないだエレキ三味線を演奏すると、鳴らした電子音を瞬時に解析し、西洋楽譜と三味線用楽譜の2種類に起こすことができるという。
これまで段階的に成果を発表し、高い精度で曲を再現できるレベルに達していたが、テンポの速い曲や遅い曲に対応できなかったため、パソコンの処理能力を上げるなど改良を加えたとのこと。
16日は開発経過を報告。米国の「マンハッタン・ジャズ・オーケストラ」のリーダーのデビッド・マシューズさんが、装置で採譜した西洋楽譜を使って電子ピアノで民謡のデモ演奏を行ったそうだ。
小坂谷教授は「香典により消えていったり、間違って伝わる曲がある。全国的に埋もれた民謡を譜面に残したい」と話しているという。
起こした楽譜は近々、青森県教委などに寄贈する予定とのこと。国内ばかりではなく、アジアなどの世界の伝統音楽の譜面づくりや、歌声への対応にも挑戦する考えだそうだ。
これで譜面で残っていない曲を後世に残していくことができる。素晴らしい発明だ。また譜面が広く公開されることでその曲を演奏する人が増えていってくれるといいのだが。